essay
45才のからだ
午前中トイレが近い
右肩が思うように動かない
寝ていると背中が痛む
輪郭のたるみが出てきた
シミが少し濃くなった
白髪が増えた
ちょっとしたことで汗をかく
なのに冷えやすい
小さな字が読みづらい
40代の入り口では抗っていたことも、こうも次々と押し寄せてくるものだから、いつの間にか受け入れられるようになっていた。
「つき合う」という感覚の方がしっくりくるかもしれない。
午前中はできればゆっくり過ごす
右肩が痛む理由の探求と解明を楽しむ
寝る前と起きたときにベッドで簡単なストレッチをする
お風呂上がりに好きなオイルで輪郭のセルフマッサージをする
美容液とシートマスクは一日のご褒美
ヘアサロンで似合う髪色に染めてもらう
ハンカチはいつも持ち歩く
毎日入浴剤を変えて全身浴でリラックス
遠くを見るようにする
時とともに変容していく自分自身を、包括的に見つめ認め労ること。
それこそが究極のセルフケアなのではないかと45才の今は思っている。
抗うよりも遙かに心地よく向き合えている。
ジブチ
「ママ、世界で一番暑い国ってどこなの?」
三日ほど前、息子が私にこんな質問をした。
恥ずかしながら、そんな疑問を一度も抱くことなく生きてきた私は答えることができず、
その場ですぐに調べてみた。
どうやら、アフリカにある「ジブチ」という国が、そうであるらしい。
それから二人で地球儀を回しながら、ジブチを探す。
どんな国なんだろうね。
とても小さいね。
気温が50℃だなんて、きっとアイスもすぐにとけちゃうね。
そんなことを話しながら、私たちの頭の中は未だ見ぬジブチ一色に。
43年知らずに生きてきたジブチに、息子はたった6年で辿り着いてしまった。
小さな質問から、一気に世界への扉が開いた瞬間だった。
そして今朝、こんなニュースが飛び込んできた。
“スーダン邦人退避へ 自衛隊輸送機のジブチ待機を命令 防衛省”
スーダンの内戦が激化し、スーダンに滞在している邦人約63人を、その近隣にあるジブチの自衛隊活動拠点へ退避させる計画だが、飛行場が主戦場となっており、現時点で輸送機を現地入りさせるのは難しい状況とのこと。
数日前にジブチを調べていなければ、このニュースがこんなにも心に刺さることはなかったかもしれない。
しかしながら、世界では今でもさまざまな場所で戦争が起こり、日常生活さえままならない人々がたくさんいるのだ。
私たちが知ろうとしないだけで。
今日、洞爺湖町町議選挙の期日前投票へ行ってきた。
私たちには、選挙権がある。
自分の声を届けてくれるであろう候補者に希望を託すことのできる機会を、ぜひ無駄にしないでほしい。
選挙がある、投票ができる、ということは
間違いなくひとつの平和のかたちなのである。
紛争地域にいる人々の安全と
戦争のない世界が一日も早く訪れるよう
改めて、各国のリーダーに祈るばかり。
天災とは違い、戦争は人の手で止められるのだから。
クリスマスイブに思うこと
今日はクリスマスイブ。
今年のクリスマスも、新型コロナウィルスの影響で
ご家族や友人と過ごせないという方もいらっしゃると思います。
どんな状況下であっても、互いを、そして誰かを思いやる気持ちがあれば
きっと素敵なクリスマスになると思います。
サンタクロースの起源とされる聖ニコライは、貧しさに苦しんでいる家族がいると、夜中にこっそり施しをしました。
ここにクリスマスやサンタクロースの本来の精神が宿っています。
クリスマスは、なにかを求める日ではなく、誰かの為になにができるかを考える日。
「奉仕」や「思いやり」が前提にあり、家族や友達やまわりの人の存在にあらためて感謝する日であってほしい。
どうか、やさしさに溢れるクリスマスになりますように。
日本の映画『ALWAYS 三丁目の夕日』より、私の大好きなクリスマスのエピソードを。
売れない貧乏小説家の茶川竜之介(ちゃがわりゅうのすけ)に、紆余曲折あって引き取られた少年・淳之介(じゅんのすけ)。
クリスマスが近づいてきたある日、茶川は淳之介に「サンタクロースからどんなプレゼントが欲しいんだ?」と聞かれ、淳之介は「僕は、いいんです。」と答えます。
茶川が「どうしてだ?」と聞くと、淳之介は「僕のところに、サンタクロース、来たことありませんから…」と言います。
それを聞いて、茶川は淳之介のために奔走します。
お金がないので、なんとか工面し、こっそり小説を書いている淳之介のために万年筆を買い、近所の診療所の先生にサンタクロース役を頼んで、そしてクリスマスイブの夜が来ます。
その日、玄関で何やら物音を聞いた淳之介。
すると、プレゼントが置いてあります。
淳之介は慌てて戸を開け外に出ると、雪がゆっくり舞い降りる中、サンタクロースがこちらを向いて手を振り、「メリークリスマス!」と言って去って行きます。
淳之介は目を輝かせながら、「僕のところにもサンタクロースが来ました!」と茶川に伝えます。
包みを開けると、淳之介がずっと欲しかった万年筆が。
「どうして僕の欲しいものがわかったんだろう…」と不思議そうに話す淳之介。
茶川はこう答えます。
「それは、サンタクロースだからだろう?」
世界中の子供たちや、かつて子供だった皆さまにとって
クリスマスという日が、思いやりや浪漫、夢にあふれた一日になりますように。
Merry Christmas!!
旧友の訪問
時々、旧友が店を訪ねてきてくれる。
私の学生時代は少し複雑で、中高一貫の女子校に通っていたけれど、
高校の途中で自主退学し道立の高校へ転校という選択をした。
とても大きな女子校で、私は特に目立つ人間でもなく、学校をやめた自分を記憶に留めておいてくれる人など殆どいないだろう、そう思っていた。
心の片隅にあるはずの中高時代の記憶も、時とともに遠くへと。
とにかく今をしっかり生きることに全力投球の日々で、その頃の記憶に自分から会いに行くことはほとんどない。
話は戻り、
時々、旧友が店を訪ねて来てくれる。
店の扉が開き、チリンとドアベルの音が止むと同時に、かつて呼ばれていた懐かしい呼び名を耳にした瞬間、
心のどこか遠くへと行ってしまった自分もまた、この店に駆けてくる。
驚きと懐かしさと喜びに満ちた、束の間のひととき。
特に会う約束をしたわけでもなく、私がここにいることを知り、ふらりと訪ねてきてくれる。
彼女らもまた、あの頃の自分を連れて。
旧友が訪ねてくれた日は、
あの頃の自分と今の自分が店に立つ。
覚えていてくれてありがとう、そんな気持ちが溢れ出る。
店というものは、過去と今と未来を結ぶ場所なのかもしれない。