essay / 湖畔の思索日誌

2026-04-20 14:52:00

17年という時間

17年
=6209日
=149016時間

 



4月16日。
いつも通りに店を開け、直近に迫る企画展の準備や接客で心地よい慌ただしさの中、HOLIDAY MARKET TOYAは17周年を迎えた。

数字だけを見れば長い年月を感じ得るけれど、自分の体感において言えば、本当にそんなに経ってしまったのか俄かに信じがたいほど瞬く間に今、この地点にいる。



「17年」というどっしりとした門構えの向こうには、確かに日々の積み重ねがあり、その日その時間の中にいつでもあの人やこの人の顔を思い浮かべることができる店の主でありたいと思う。



お客さんの人生の中心には居なくていい。
心の片隅のさらに片隅で、日常のふとした瞬間や記憶の一欠片の中に、何気なく存在していられたなら、店としてそれ以上に幸せなことはない。



「今この時間」



ある人がくれたこの言葉を、心のお守りにしている。

店を訪れる人たちとの平和交流をかたちにしたいと思い、「あなたにとって平和とは?」と言う問いに対して自由に紙に書いてもらい、これまた自由に店内のPEACE WALLに貼ってもらう、という自前のプロジェクトを昨年の6月から継続していて、これまで日本全国世界各国のたくさんの平和の言葉が壁に集まり、今なお増え続けている。

いつも一人で立ち寄ってくれるその人も、静かに言葉を残していってくれた。

「今この時間」

自分にとって何よりも平和を感じるのは、この店にいる時なのだと教えてくれた。

想像もしていなかったこの言葉は、その瞬間からわたしの道標となった。

 



店は人生の交差点だ。
ひとりひとりの人生が、店という空間を通して交差する。
一度しか会えない人もいれば、何度も会える人もいる。
長いおつき合いになる人もいれば、もう次の世界へ旅立った人もいる。

どの出会いからも、多くを学ばせてもらっている。
そしてすべては、お客さんがこの店の扉を開けてくれたから始まったのだ。

だからせめて、扉を開けてくれたひとりひとりの時間が平和であるように、これからも日常の片隅で、小さく静かに、自分にできる方法を探していく。

 



17年間の月日で出会えたすべての人に、心から感謝を。

目指したい道筋がやっと少し見えてきたような気がしている。17年経っても結局は未だ途上なのだ。