essay / 湖畔の思索日誌

2025-11-13 13:50:00

○○人ファーストのその先に

「宇宙からは、国境線は見えなかった」

これは、かつて宇宙飛行士の毛利衛さんがスペースシャトルでの宇宙飛行から帰還されたときに語った言葉だ。

今こそ多くの人に届いてほしい。

 

 

人間の人間による区分けほど愚かなものはない。

人間に対しても、すべての生き物や自然環境に対しても。

国境は人間が勝手に決めたもの。他の生き物や自然界には関係の無い話だ。

所謂「人種」もまた人間が勝手に決めたもの。山奥に放り出されたら、無力なひとつの命でしかないのに。

 

日本人って何だろう。

日本国籍を持つ人?日本で生まれた人?日本で暮らす人?税金を納める人?見た目のこと?話す言葉?日本が好きな人?日本を大事にする人?

考えれば考えるほど曖昧で、突き詰めれば突き詰めるほど意味が無い。

未だ解明されない果て無き宇宙の中の、銀河系の中の太陽系の中の、小さなひとつの惑星の中で

一人の人間が持てる時間など塵にも満たない。夜空を見上げれば何万年も前の光が瞬いている。

一瞬で消える一生を、存在もしない区分けと排除に費やしたその先に、いったい何があるのだろう。

それどころか人間のおかげで地球温暖化は猛スピードで進み、人間同士で争っている猶予など、そもそも無い。

自分が地球で最も愚かな生き物に属することを反省しながら、せめて森羅万象のなかで巡る命には敬意を持ちたい。

すべては海から生まれ、つながっているのだから。