essay / 湖畔の思索日誌
2025-06-09 13:43:00
どうして競争しないといけないの?
小学三年生の息子と晩ご飯の食卓を囲んでいた。
もうすぐ運動会がある。ちなみに息子は、幼少期から運動会や発表会が大の苦手である。
大きな拒否反応が出る前に、今の気持ちを知ることが重要だ。
私「練習はどう?」
子「よさこいは難しいけどがんばってるよ。」
子「でも走るのは最悪。」
私「最悪とは?」
子「100m走だよ。足が遅くて負けるのがわかってるのに、なんで競争しないといけないの?」
自分の子ども時代を見ているようだ。
運動がとても苦手で体力も無く、運動会でダメな自分をさらすのがとても苦痛だった。
運命競争だけが唯一の救い。
徒競走でどんなに全力で走ったとて、クラスで一番速い子に勝てるわけもないのに
その頃は根性論(いわゆるスポ根)しか存在しなかったのが、また辛かった。
そこで提案をしてみた。
何のために自分は走るのか、自分だけの目標を決めてみたらどう?と。
息子は箸を置いて、考えていた。
そして声高にこう叫んだ。
「おれは、ウルトラマンに力を送るために走る!」
彼は学校で、今日もきっとウルトラマンのために、ひいては地球の平和のために走っている。